決算申告は、普段ご商売をされる上では、ほとんど意識されることはないかも知れません。
極端な話、社長さんは、決算なんかしなくとも、「おれは自分の会社の状況をしっかりつかんでいるから、おれにとっては決算なんか意味が大してあるものではない。」と、おっしょる方も少なくないのかも知れません。
しかし、社長の会社外部の者からしますと、会社の決算書は大変大事なものなのです。
もちろん、金融機関は、貸付にあたり社長に対して経営方針その他会社の経営状況を尋ねることとは思います。
これらの聞き込みも決算書を手にしないと、尋ねるべき内容もはっきりしません。金融機関も、税務当局、許認可申請当局、得意先、仕入先その他の外部利害関係者は、決算書の読み込みと、社長への尋問と必要最低限の会社の内部書類との整合性を確認することにより、会社の経営状況と社長の最高責任者としての経営姿勢を把握することが可能となるのです。
決算書は、社長の会社における経営状態の鏡である以上、普段の真摯な経営を心がけていないと、社長の経営者としての、資質を疑われてしまうこともなくはありません。
経営方針に基づいて行動された結果としての企業取引を、明確に記帳した正確な会計帳簿の作成も怠ってはいけません。
正確な帳簿がなければ、経営状態を正しくとめした決算書も容易に作成することは出来ないからです。
金融機関を中心とする外部関係者の協力がなければ、社長の会社は、大きく伸びないばかりか、倒産の危機に直面する可能性も否定できないのです。
このように、単に税金の計算だけではなく、決算書は会社の経営をしていく上でとても大事なツールであるからには、決算対策とその礎である日々の経理処理をしっかりこなしていくことが大事です。
当然税金のことも考慮した上で、経営戦略を立てる必要があります。税金を下げていくことには、どの社長さん方は関心がおありだと思いますので、節税額の最大額を求めて、税務署と格闘しながら、税金を最安値をめざすのも一つの方法でしょう。
税理士試験を合格した税理士は、試験で合法的な手法を使って、税金を最安値で税金を計算できた人達の集まりですから、税金の最小値を計算するのは得意かも知れません。
しかし、これをやり過ぎると、決算書がゆがんでしまって、社長の経営者としての資質を疑われてしまう結末を迎えることもあります。
経理業務も怠ることなく、会社を健全な経営状態にするために、社長は真摯な経営姿勢と努力をけして惜しんではいないことを決算書に映し出していくことを、私は決算書作りの上で最も重要と考えます。